原料ビジネスに、
新しい風を起こしたい。

私は、中国・遼寧省の出身で、大学進学を機に来日しました。就職に際しては、人とチームを組んで取り組み、海外に関わる仕事として商社業界を志望しました。数ある商社の中でも神鋼商事は、国内のみならず海外事業に注力していることに魅力を感じました。外国人である私なら、語学力を活かして早期に即戦力として活躍できると思ったのです。
また、何よりも人事面接や先輩社員との面談、役員面接まで、会話の雰囲気がフランクで話しやすく、このような人たちがいる会社であれば、居心地がよく、働きやすい環境と感じたことが入社の決め手になりました。社員はみなさん、物腰が柔らかく優しい。この環境が仕事のやりがいを生むベースになっていると思います。

私が取り扱っているのは、アルミ製品メーカーや銅製品メーカーで製造の際に発生する｢スクラップ原料｣です。国内問屋がこれらスクラップ原料を集荷、当社がそれらを買い取って、国内及び海外の伸銅メーカー・軽圧メーカーに販売するという、川上の原料ビジネスです。また逆形態で海外のスクラップ原料を日本に輸入するケースもあります。
このスキームは、メーカーにとってコストダウンを図ることができるという価格メリットがあるとともに、｢金属のスクラップ原料リサイクル｣はCO2排出削減にもつながり、｢SDGs｣の実践の一つとして大きな意義があると思っています。ビジネス上のポイントは、市中のあらゆる合金が混在しているスクラップ原料をいかに選別してグレードアップし、高値で販売できるようにするか。そのスキームづくり・提案も私の役割です。

インドの素材メーカー向けに輸出する案件で、自分の手で利益を生み出したことが強く印象に残っています。利幅が常に大きいとは言えないリサイクルビジネスの特徴を踏まえつつ、その中で、どこで利益の最大化を図るか。私が着目したのは、船積みの際の積載効率です。一隻で船積み積載効率を高めることでコスト削減が実現します。さらにお客さまにとっては納期が早くなるメリットも生まれます。このような取り組みで利益率アップを実現したとき、やりがいとともに商社ビジネスの面白さも実感しました。私が大事にしているのが｢Give & Take｣。何かをしていただくためには、何か役立つことを提供する。だから全力で期待に応えるのが私のポリシーです。

現在の部署へ異動する前は、ビジネスの川下である製品そのものの売買を担当していました。そこから原料部門に異動して痛感するのが、取扱数量は多く、取扱金額も高い反面、期待する利益を常に確保することは至難の業ということです。すでに取り組みを開始していますが、利益率アップを追求していくことが変わらない目標です。取扱商材が変わっても、商社の仕事の本質に変わりはなく、人と接し繋がりを深め、信頼を得てwin-winの関係を築いていくことに尽きると思います。自分の手で何かしらの違う視点、新しいアイデアで原料ビジネスの世界に改革を起こしたいと考えています。それを実現するためにも、現時点では徹底して｢原料｣に関わるすべてを貪欲に吸収していきたいと思っています。

営業のスキル、商品知識等がまだ浅かったころ、お客さまへの諸対応の大幅な遅延から担当替えを申し入れられてしまったことがありました。その際上司が盾となり、要求を断っていただいたことで最終的にお客さまに満足いただけたことがありました。当時、もし担当替えされていたら、今の自分はなかったかもしれません。