当連結会計年度におけるわが国経済は、アジア諸国を中心とした海外向け需要が好調に推移し、緩やかな 回復基調を維持しましたが、国内においては依然として厳しい雇用・所得環境から個人消費が低迷し、また、景気刺激策の縮小や円高基調により先行きの不透明感は払拭できないまま推移しました。さらに、3月11日に 発生しました東日本大震災による甚大な被害により、わが国経済はこれまで経験したことのない厳しい局面を迎え、景気の先行きに深刻な影響が懸念される状況となりました。
このような環境下において、当社グループは、粗鋼生産の増加や自動車、造船、半導体などの需要家が好調に推移したことから増収・増益となりました。また、昨年5月に発表いたしました「長期経営ビジョン」において掲げた「神戸製鋼グループの中核となるグローバル商社を目指す」の実現に向け、同年7月にアラブ首長国連邦にドバイ駐在員事務所を開設し、また、同年12月に中国において新たに電子材料用部品の加工事業に進出することを目的に、株式会社コベルコ科研と共同で「神商精密器材(蘇州)有限公司」を設立しました。さらに、本年3月にはインド・ニューデリーに「神鋼商事インド会社」を設立するなど海外拠点の拡充を進め、積極的にグローバル展開を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は8,629億15百万円(前連結会計年度比25.2% 増)、営業利益は76億73百万円(同33.5%増)、経常利益は63億33百万円(同47.6%増)となりました。なお、特別利益として貸倒引当金戻入額など2億18百万円を、特別損失として退職給付制度終了損および投資有価証券評価損など10億22百万円をそれぞれ計上しましたが、当期純利益は33億48百万円(同15.1%増)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
鉄鋼セグメント
鋼板製品は主に中国向け輸出の取扱いが増加し、造船業界や産業用機械業界向けも堅調に推移し、線材製
品は消費刺激策効果により自動車業界向けの取扱いが大幅に増加しました。また、棒鋼製品は建設業界向けは公共事業が゙低迷したものの、下期に住宅着工が一部持ち直したことにより取扱いが増加しました。さらに、チタン・ステンレス製品はIT関連等の需要増からアジア地域向け輸出の取扱いが増加し、鉄鋼加工製品も設備投資の持ち直しにより取扱いが増加しました。
これらにより鉄鋼セグメントの売上高は2,657億10百万円(前連結会計年度比13.2%増)となり、セグメント利益は28億3百万円(同80.6%増)となりました。
鉄鋼原料セグメント
輸入鉄鋼原料は粗鋼の増産、鉄鉱石・石炭の価格上昇により取扱いが増加し、冷鉄源も銑鉄等の輸出は減
少したものの、鉄スクラップの需要増および価格上昇により取扱いが増加しました。また、合金鉄およびチタン原料は需要回復により取扱いが増加しました。
これらにより鉄鋼原料セグメントの売上高は3,366億8百万円(前連結会計年度比43.2%増)となり、セグメント利益は10億14百万円(同6.6%増)となりました。
非鉄金属セグメント
銅製品はパソコン・スマートフォン用半導体素材や自動車用端子コネクターの需要増により銅板条の取
扱いが増加し、猛暑の影響から空調用銅管の取扱いも増加しました。アルミ製品は印刷版向けや空調向けアルミ板条の取扱いが、また、アルミ加工品も液晶製造装置向け等の取扱いがそれぞれ増加しました。一方、非鉄原料は銅・アルミスクラップの取扱いは減少しましたが、地金の取扱いは増加しました。
これらにより非鉄金属セグメントの売上高は2,096億30百万円(前連結会計年度比37.1%増)となり、セグメント利益は11億67百万円(同77.0%増)となりました。
機械・情報セグメント
機械製品は産業用クラッチおよびモータの取扱いが好調でしたが、主力である製鉄所向けや海外産業機械プラント向けの機器は設備投資等が回復に至らず端境期となり低調に推移したため、取扱いが減少しました。一方、情報産業関連製品はタッチパネルやスマートフォンの需要増により電子材料の取扱いが増加しました。
これらにより機械・情報セグメントの売上高は470億38百万円(前連結会計年度比24.8%減)となり、セグメント利益は1億84百万円(同69.8%減)となりました。
溶材セグメント
溶接材料は化工機業界向けは減少しましたが、国内の自動車業界向けが堅調に推移し、建設機械・造船・
建設鉄骨業界向けが増加したことに加え、海外プラント向けも好調であったことから取扱いが増加しました。また、溶接関連機器は国内外建設機械メーカーの大型設備投資に伴い取扱いが増加しました。さらに、生産材料も国内需要の増加に加え、海外工場における増産により取扱いが増加しました。
これらにより溶材セグメントの売上高は533億81百万円(前連結会計年度比8.5%増)となり、セグメント利益は8億70百万円(同25.5%増)となりました。
次期の見通し
今後のわが゙国経済の見通しにつきましては、本年3月11日に発生いたしました東日本大震災により、国民
生活や企業活動に多大な影響が出ており、また、資源・エネルギー価格の高騰や不透明な為替動向から、引続き国内外の経済動向に細心の注意を払っていく必要があります。
東日本大震災の影響により、現時点では業績予想の算定ができないため未定としております。開示が可能となった時点で速やかに開示いたします。